吸入療法

呼吸器疾患の吸入療法

吸入療法は呼吸器疾患の特に気管支喘息、COPDにおいて治療の主力となっています。

ただし、薬効を得るために他の薬剤投与経路と異なり、患者さんに正しく吸入デバイスを操作してもらう必要があります。正しい吸入ができていないと十分な薬効が得られないばかりか、患者さん自身が副作用で苦しむことになってしまいます。薬効を最大に発揮させ、副作用を最小にする吸入療法には的確な吸入指導が欠かすことができません。吸入指導には処方する医師、直接指導や吸入補助を担う薬剤師、看護師、理学療法士など他職種との連携が不可欠と考えます。

 気管支喘息、COPDの吸入療法に使用される薬剤は吸入ステロイド、長時間作用型β2刺激薬、長時間作用型抗コリン薬が中心となります。これらを必要最小限に、できるだけ合剤での投与(デバイス数が少なく)を選択し、1日の投与頻度も少なくなるように工夫することが患者さんの利益になります。患者さんの年齢や性別、呼吸機能の状態、認知機能や手指の運動障害の有無、生活パターンによって様々あるデバイスから最適なものを選択します。吸入デバイスは大きく分けてドライパウダーのDPIとスプレータイプのpMDIがあります。それぞれ吸入指導の際にコツや間違えやすい部分があります。当院では薬局薬剤師と連携し、患者さんが安心して吸入療法を行えるように指導、支援していきます。

動画で吸入療法を学ぶ

環境再生保全機構

吸入レッスン

感染対策に留意した吸入指導

患者さんがマスクを外す時間を最小限にする。

① 説明用紙を用いて、吸入手技を実演 

  手技説明用紙はメーカーさんが配布しているものを利用。

    吸入指導用のトレーナーやホイッスルを使用。

② 指導者の実演は、オンライン動画で代用。

  患者さんの飛沫が散らない工夫を 

  A. 吸入後の息止め(5秒くらい)の際に、マスクを着用してから呼出してもらう。

  B. 洋服の袖口で、ハンカチで、口元を塞いで呼出してもらう。

可能であれば指導している近くで、 他の患者さんを待たせない

拡散した飛沫がすみやかに換気されるようにする