COPDの解説

COPDの解説

COPDとは

COPDはChronic Obstructive Pulmonary Disease(慢性閉塞性肺疾患)といい、汚染物質(タバコ煙、大気汚染物質、ストーブ煙など)を吸入することで、肺に慢性の炎症がおこり空気の通り道である気管支や酸素を取り込む肺胞に障害がおこる病気です。COPD患者さんの90%に喫煙歴を認めることから“たばこ肺”といわれたりします。その他に肺気腫、慢性気管支炎という病名がありますが、COPDはそれらを含む、または合わさった疾患となります。2004年の調査によると日本には500万人を超えるCOPD患者がいると言われています。

COPDの症状

自覚症状としては咳や痰の増加、動いた時の息切れ、体重減少などがあります。これらの症状が慢性的に進行していきます。進行すると日常生活が呼吸困難のために普通にできなくなり、やがては呼吸不全で命を取られることもあります。

COPDの検査

検査はレントゲン写真、胸部CT、呼吸機能検査(スパイロメトリー)で行われます。まずレントゲン、CTなどの画像検査では、COPDにおこる肺の変化を示す所見が得られます。COPDでは肺胞が破壊されて、本来なら目の細かいスポンジのような構造をしているところが、目の粗いへちまのように隙間の目立つ構造になってしまいます。そのため画像診断においてはレントゲンが素通りしてしまい肺の写真の色が黒っぽくなる(透過性亢進)所見が見られます。また、呼吸機能検査では障害を受けた気管支は通りが悪いために吸い込んだ空気を吐き出せなくなる呼気の気流制限の所見を見ることができるようになります。この所見はCOPDの診断基準、重症度判定のステージ分類にも必要となる重要なものになります。病状が進行すると肺の主な働きである酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する働きが障害され、動脈血液ガス測定を行うと動脈血の酸素の値の低下と二酸化炭素の値の上昇がおこります。

COPDの治療

 治療で最も重要なのは禁煙です。禁煙はCOPDの発症リスクを減少させ、進行を食い止める最も有効で、経済的にも最も費用対効果が高い治療となります。禁煙をやりにくくする病態としてニコチン依存がります。現在では保険診療としてニコチン依存治療を行うことができるようになっています。薬剤とカウンセリングにて禁煙をサポートします。

 障害を受けた肺自体を元に戻す方法はありませんがCOPDは治療可能な疾患です。COPDはきちんと治療することで病気が悪化していくことを予防し、病気でない方と同様の生活ができるようにしていきます。

 まず薬物療法(吸入薬、貼付剤、内服薬)があり、呼吸困難を和らげ症状を緩和します。気管支を広げて呼吸を助ける作用のある長時間作用型抗コリン剤、β刺激薬、キサンチン剤を使用します。副腎皮質ホルモン(ステロイド)も主に吸入で使用されますが肺の炎症を抑えて急性増悪を予防する目的で使用されます。痰を柔らかくして喀出しやすくする去痰剤も併用されます。

 呼吸リハビリテーションも症状の安定している慢性期には行われます。胸、首、腕のストレッチ体操は呼吸困難感を和らげます。腕、肩、下肢の筋力トレーニングは呼吸困難を改善し、行動できる範囲を広げ、生活の質を改善する幼果があります。腹式呼吸、口すぼめ呼吸の訓練も効果があります。痩せると呼吸困難が悪化し、症状が悪化することが多くなるため栄養管理も重要になります。呼吸器の専門医療機関ではこれらの指導を受けることができます。

 症状が進行して呼吸困難が強くなり、自分の肺の力だけでは酸素を十分取り込めなくなった場合は在宅酸素療法を行うことがあります。酸素が低い状態が続くと、自分が苦しいだけでなく、心臓を中心に内臓に負担がかかり体の機能が落ちる結果になります。在宅酸素療法の導入に関しては正しく使用しないと危険な場合もありますので、呼吸器の専門医療機関にご相談ください。